比留間久夫 HP

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Roy Orbison / In Dreams


      眠りの精と呼ばれる、色鮮やかな道化師が
      夜ごと、部屋に忍んでくる
      星屑を撒いてささやくんだ
      「おやすみ。すべてうまくいくから」と。

      目蓋を閉じれば
      不思議な夜へと引き込まれていく
      夢見る者のように
      そっと祈りの言葉を唱えれば
      眠りに落ちて 君の夢を見るんだ

        夢の中で 君と歩く
        夢の中で 君と話す
        夢の中で 君は僕のもの
        いつでも一緒さ 
        夢の中では

      だけど夜明け前に目が覚めれば
      君はどこにもいない
      こらえきれずに涙を流せば
      君が言った「さようなら」が思い出されて

      悲しいことに
      すべては夢の中の出来事
      美しい夢の中だけなのさ


デビリンの≪ブルーベルベット≫は、好きな映画ベスト3に入る。
はじめて観たときは、続けざまに4回も観るほど、興奮したのを憶えている。
この歌は、劇中で効果的に使われてるスタンダードな名曲。

音楽を聴くとイメージや情景が浮かんで、小説を書きたくなることがよくある。
リンチの場合、それは映画になるのだが、悪趣味と聖性と複雑な情感が混じり合うようなそのセンスが、僕はとても好きだ。
ゲイクラブで“粋なオカマ”のベンが、懐中電灯をマイクに仕立てて、デニスホッパー演じるフランクに愛の告白をするように口パクで歌い踊るこのシーン。
それを遊離した個の世界で棒立ちで感極まるように聴くフランク。
本当に多くのことが表現されている。


















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