比留間久夫 HP

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SLAPP HAPPY

       Casablanca Moon

彼はよくフェルト帽をかぶっていた
でもいまはトルコ帽を誇らしげに見せる
カバラ的な当てこすりが彼の言葉の全てにある
チューチュー音を立てて煙草を吸い
彼は縒り糸を拾いあげる カサブランカの月の下で

彼は広げた新聞紙の後ろでこそこそ動く
モスクの影に隠れる
彼は数え切れもしない自分の渡った大陸の数を
パーティーメンバーが霜に残した足跡を追跡するだけだ
キツのカンラブサカの下で

 彼を隠す覆いは破れている、どこかが
 どこか(ニュージャージー州の)ボーボーケンでは
 その男が言う「彼の事件が迷宮入りした」と
 「彼は東洋へと送還された」「二重スパイが裏切った」

彼の鼻の下の無精髭にはコカインのシミがついて
彼のパズルピースはまったくつながらない
高地に住む人々は自分の顔を刻印したがっている
白人横断的な硬貨の上に

 彼は自分の足取りを見たほうがいい だって
 早晩 彼らは彼の無頭の体を換気扇の中に発見するだろうから

ティンセルのような汗の滴りが彼の目をしみさせる
精液のような神経症の水たまりが彼の変装のヒビから滲んで
薄暗い売春宿では鏡が彼の泣き声で割れた
カサブランカの月の下で

昨日の夜にはついに彼も発狂
壁は崩壊し 全人類は彼の前に立ち 手を挙げるが
その意味ありげな手振りを彼は理解できない

(*阿部嘉昭さんの和訳から多くを引用しました)



昔、よく聴いてました。
友達の間でも人気があって、持ってたセカンドアルバムは、誰かに貸してる間になくなってしまった。
当時はどんな内容を歌ってるのか、さっぱりわからなかったけど・・・
こんなことを歌ってたんですね。カバラとか出てくるから、支配者階級のスパイの話でしょうか?

ネットで検索したら、昨年、来日してライブを演ったらしい。
行ったかどうかは微妙だけど、
いま聴いてもやっぱいい。


≪カサブランカ・ムーン≫も好きだけど、この曲も好き。


                                   (2017.3.6記)

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