- 2020/07/21
- Category : 洋楽かなり意訳
GOD SAVE THE QUEEN
神よ 女王様を救いたまえ
ファシスト政府は水素爆弾並みに人を白痴にしやがる
神よ 女王様を救いたまえ
あの女は人間じゃない 『英国の夢』には未来はないんだ
「何かが欲しい」なんて言うな
「何かが必要だ」なんて言うな
ここには『未来』はないんだ お前に『未来』はないんだ
神よ 女王様を救いたまえ
俺たちは本気で言ってるんだ
女王様を愛してるんだ 神よ 彼女を救ってくれ
神よ 女王様を救いたまえ
観光客は金を落としてくれる
でも 俺たちの指導者は見た目とは全然違うんだ
神よ 歴史を救いたまえ 狂ったパレードを救いたまえ
ああ偉大なる王よ どうかご慈悲を
全ての犯罪は精算された
『未来』もないのに『罪』なんて存在するのか?
俺たちはゴミ箱に捨てられたアダ花さ
俺たちはあいつらの言いなりで動く機械だ
毒まみれになってる
俺たちは『未来』だ お前の『未来』なんだ
女王陛下万歳
ここに『未来』はないんだ
お前に『未来』はないんだ
俺に『未来』はないんだ
もう40年も前の歌だ。
以前、ブログで「ピストルズは再結成が最も似つかわしくないバンド」と呆れ気味に書いたが、それこそ彼(ジョン・ライドン)が嫌う「パンクとはこういうものであってほしいという『固定観念』」だったのかもしれない。
ジョン・ライドンはいまも、コメディアンになったり(笑)、ピストルズを金儲けのために(?)何度も再結成したり、『PIL』を継続したりと、ピエロのように、トリックスターのように元気旺盛に(やけくそ気味に?)やり続けている。
日本ではパンクムーブメントはファッションとして紹介されたが、後に影響を受けた多くのバンドがアングラシーンで産声を上げた。・・でも、日本では支配層に怒りの拳を突き上げるような政治的な歌はそぐわなかった感がある。何だかんだ言っても、高度成長平和日本の豊かさを享受していたからだ。歌う内容は個に関する内面的な、反社会的なものが多かった気がする。
いま、ピストルズの(というよりパンクの)この代表曲を訳して驚くのは、状況が1977年当時と何も変わってないどころか、より深刻化してるというところだ。何より、現在の日本でこの歌を歌っても全然おかしくない。試しに『女王様』のところをほかの言葉に置き換えてほしい。『天皇』は大きくは間違ってないが、それでも論点がぼやけるので、やめたほうがいい。
(2016.12.2記)