- 2014/07/15
- Category : 洋楽かなり意訳
Roy Orbison / In Dreams
眠りの精と呼ばれる、色鮮やかな道化師が
夜ごと、部屋に忍んでくる
星屑を撒いてささやくんだ
「おやすみ。すべてうまくいくから」と。
目蓋を閉じれば
不思議な夜へと引き込まれていく
夢見る者のように
そっと祈りの言葉を唱えれば
眠りに落ちて 君の夢を見るんだ
夢の中で 君と歩く
夢の中で 君と話す
夢の中で 君は僕のもの
いつでも一緒さ
夢の中では
だけど夜明け前に目が覚めれば
君はどこにもいない
こらえきれずに涙を流せば
君が言った「さようなら」が思い出されて
悲しいことに
すべては夢の中の出来事
美しい夢の中だけなのさ
デビリンの≪ブルーベルベット≫は、好きな映画ベスト3に入る。
はじめて観たときは、続けざまに4回も観るほど、興奮したのを憶えている。
この歌は、劇中で効果的に使われてるスタンダードな名曲。
音楽を聴くとイメージや情景が浮かんで、小説を書きたくなることがよくある。
リンチの場合、それは映画になるのだが、悪趣味と聖性と複雑な情感が混じり合うようなそのセンスが、僕はとても好きだ。
ゲイクラブで“粋なオカマ”のベンが、懐中電灯をマイクに仕立てて、デニスホッパー演じるフランクに愛の告白をするように口パクで歌い踊るこのシーン。
それを遊離した個の世界で棒立ちで感極まるように聴くフランク。
本当に多くのことが表現されている。