- 2012/02/25
- Category : BOOK 100
コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)
世界でいちばん好きな作家は、
村上龍さんかな。
作家時代は、営業上、大きな声では言えなかったけど。
「そー言われれば、村上龍に似てるね」とか、
絶対、言われたくなかったし。
誰かに似てるって言われたら、その作家は終わりだと思ってたし。
だから、作家になってからは、
執筆中は、村上龍さんの小説は読まないようにしてた。
無意識に影響されるのが怖かったし、
自作に集中してる意識を掻き乱されたくなかったから。
でも、だからこそ、逆の思いも強かった。
彼と同じようなものは絶対に書かない(・・・ってゆーか、
書けないんだけどね。力量と才能があまりにも違いすぎて)。
だから、彼とは違うものを書く。
それはまぁ、デビューする前から。
・・・って、好きって言ってるわりには、
最近のは読んでないんだけど。・・・っつーか、誰のも読んでない。
『五分後の世界』『KYOKO』あたりまでかな。
正直、あのころの小説は、ザツで手抜きな感じがして、
(すみません。それだけ、期待度が高いってことです)
うわぁーって、うなるほどではないんだけど。
でも、それでも、一定のクォリティは維持してるのが凄いところ。
アイデアマンだし、
それでいて、根の部分は真面目だし。
で、『コインロッカー・ベイビーズ』。
これはもう、日本文学の金字塔でしょ。
多くの人がこの作品の凄さを、さんざ語り尽くしてきただろうから、
いまさら、愚言は挿まないけど、
長編なのに、
どのページを開いても、引きこまれる。
村上龍さんが能力MAXで書いた小説って感じ。
あと、個人的に好きなのは、
(おいおい、『コインロッカー・ベイビーズ』はもう終わりかよ?
・・・だって、最近、左脳を働かせてないから、語るの面倒くさいし。
じゃ、「すごく、いい」でいいでしょ。
読んでみりゃ、わかるって)
で、ほかに好きなのは、
『だいじょうぶ、マイフレンド』と、
『トパーズ』かな。
『悲しき熱帯』の『鐘の鳴る島』だっけ? あれもいいね。
『69』も、もちろん、好きです。
レディジェーンの手紙のStill Crazyのくだりが泣かせるよね。
『テニスボーイの憂鬱』の「僭越だぁー」も面白いし。
まぁ、いろいろです。
そーいえば、『愛と幻想のファシズム』は、
いまだに読んでなかったんだ。
上下の分厚い長編だったし。
自分はほかの人の小説を読むとき、対決、って感じで読むから、
時間がおそろしくかかる。
分析、研究もしたりだから、一冊読むと、かなりヘトヘトになる。
それで、読まなかったんだ・・・
読んでみようかな。
(いまなら、普通に読書って感じで読めそうだし)。
ところで、村上龍さんが経済エリアに進出しはじめたのって、
1990年ごろからだっけ?
当時も、「何で経済?」って思ってたんだけど、
バブルのときに株で損でもしたのかな?
いや、いま、ふと、思っただけです。