比留間久夫 HP

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コインロッカー・ベイビーズ(村上龍)

日本で、っていうか、
世界でいちばん好きな作家は、
村上龍さんかな。
作家時代は、営業上、大きな声では言えなかったけど。
「そー言われれば、村上龍に似てるね」とか、
絶対、言われたくなかったし。
誰かに似てるって言われたら、その作家は終わりだと思ってたし。
だから、作家になってからは、
執筆中は、村上龍さんの小説は読まないようにしてた。
無意識に影響されるのが怖かったし、
自作に集中してる意識を掻き乱されたくなかったから。
でも、だからこそ、逆の思いも強かった。
彼と同じようなものは絶対に書かない(・・・ってゆーか、
書けないんだけどね。力量と才能があまりにも違いすぎて)。
だから、彼とは違うものを書く。
それはまぁ、デビューする前から。

・・・って、好きって言ってるわりには、
最近のは読んでないんだけど。・・・っつーか、誰のも読んでない。
『五分後の世界』『KYOKO』あたりまでかな。
正直、あのころの小説は、ザツで手抜きな感じがして、
(すみません。それだけ、期待度が高いってことです)
うわぁーって、うなるほどではないんだけど。
でも、それでも、一定のクォリティは維持してるのが凄いところ。
アイデアマンだし、
それでいて、根の部分は真面目だし。

で、『コインロッカー・ベイビーズ』。
これはもう、日本文学の金字塔でしょ。
多くの人がこの作品の凄さを、さんざ語り尽くしてきただろうから、
いまさら、愚言は挿まないけど、
長編なのに、
どのページを開いても、引きこまれる。
村上龍さんが能力MAXで書いた小説って感じ。

あと、個人的に好きなのは、
(おいおい、『コインロッカー・ベイビーズ』はもう終わりかよ?
・・・だって、最近、左脳を働かせてないから、語るの面倒くさいし。
じゃ、「すごく、いい」でいいでしょ。
読んでみりゃ、わかるって)

で、ほかに好きなのは、
『だいじょうぶ、マイフレンド』と、
『トパーズ』かな。
『悲しき熱帯』の『鐘の鳴る島』だっけ? あれもいいね。
『69』も、もちろん、好きです。
レディジェーンの手紙のStill Crazyのくだりが泣かせるよね。
『テニスボーイの憂鬱』の「僭越だぁー」も面白いし。
まぁ、いろいろです。

そーいえば、『愛と幻想のファシズム』は、
いまだに読んでなかったんだ。
上下の分厚い長編だったし。
自分はほかの人の小説を読むとき、対決、って感じで読むから、
時間がおそろしくかかる。
分析、研究もしたりだから、一冊読むと、かなりヘトヘトになる。
それで、読まなかったんだ・・・
読んでみようかな。
(いまなら、普通に読書って感じで読めそうだし)。

ところで、村上龍さんが経済エリアに進出しはじめたのって、
1990年ごろからだっけ?
当時も、「何で経済?」って思ってたんだけど、
バブルのときに株で損でもしたのかな?
いや、いま、ふと、思っただけです。

2 Comment

返信ありがとうございました


比留間さんと呼ばせてもらいます

アドバイスまでありがとうございました
自分は田舎暮らしですが、卒業したら東京に出てガンガン色んなことに挑戦するつもりです
大人になる前に経験したいことが沢山あります!

機会があればでいいので、ブログに比留間さんの学生時代の話など書いてもらえたら幸いです(^^)

また、学生時代に読んでおいた方がいい作品があれば教えてもらえたら嬉しいのですが・・・

あつかましくすいません。

どちらにせよ、このブログを楽く読ませてもらっています

これからも更新お願いします(^^)

こちらこそ、よろしく。
  • HIRUMA ULTRA
  • (2012/02/26 23:24)
>学生時代の話?
う~ん、そこまで遡るかなぁ? がんばってみる。
>学生時代に読んでおいた方がいい作品?
BOOKベスト30で、書いていくよ。

無題

はじめまして

先日たまたま手にしたYes yes yesがあまりに衝撃的で、著者を調べていたところ、ここにたどり着いた高校の2年の男子です。

自分はゲイではないのですが、先生の書く10代の心の描写が自分の心のと重なる部分が多くありました。(自分自身、これに近いような行動をしかけたことがあるので(汗))
何度も読み返したくなる作品はとても久しぶりです。これから先も、この小説は自分の一部として大切に保管していくつもりです。

こんな形で直接ことばを伝えることができると思っていなかったので感無量です。

本当にありがとうございまた。

またいつか、先生の小説が出版されるのを楽しみにしています!
どうもありがとう。
  • HIRUMA ULTRA
  • (2012/02/26 11:17)
先生という言い方はしなくていいよ。
まぁ、だいぶ先に生まれてるから、先生って言い方もありかもしれないけど、比留間さんでいいです。
こちらこそ、自分の作品を、いままた十代の子が手にとって読んでくれてるなんて、とても嬉しいです。

若いときは、極端な話、何でもありです。
恥をかくことや失敗を恐れないで、世界や人間にぶつかっていってください(・・・って、なんか先生みたいなノリになってるぞ、自分?)。

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