比留間久夫 HP

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不思議な体験

月刊カドカワでスペシャルが組まれたとき、
(1997年2月号)
まだ、本作と次作は出版されていませんでした。
とりあえず、いま、読み返す気力はないので、
記憶にあること、思いついたことを書いてみます。

これは、写真小説集です。
写真を、小説世界を補完するものとして使うのではなく、
それぞれの世界を拡張する相乗効果は狙えないか、
と画策したものです(だったと思います)。
しかし、残念なことに、あまりうまくいってません・・・

  あのとき、あーすりゃよかったなー
  はい! 反省会 終わりー♪
  (by ポケモン挿入歌『ロケット団のテーマ』)

不思議なことをテーマにした、
短編が六つ、収められています。
個人的には、『静電気の国の女』と、
『雪女 96』が好きです。

さて、ここからは、
また、よもやま話です。
小説を書かなくなって、
不思議なことが、めっきり起きなくなりました(笑)。
きっと現実的なことばかり、考えてるからでしょう。
不思議なことって、
普段と違うテンションに在るときに、
起こりやすいかなと思っています。
典型的な例だと、臨死体験です。
きっと脳から普段は出ない物質が出て、
どこか異空間、異領域と回路がつながりやすくなるのでしょう。
個人的には、ひどく疲れてるとき、
ひどく打ちのめされ精神的に弱っているとき、
などに、起こりやすいかなと思っています。
そういうときは、自我が、
身を固く鎧のように覆っているバリアが、
抜けやすい状態なのでしょう。
無防備になって、感じやすくなるんだと思います。

わたしは無神論者です。
でも、神のようなものは在ると思っています。
自分はそれを『宇宙的な意思』と呼んでいます。
それは、あらゆる生命体が、長い時の中で、
空気のように積み上げてきた、目に見えない、
でも質量はある、集合体のようなものです。
「この世に無駄なものは何もない。全て何かとつながっている」
というのも、同じような世界観だと思います。
すこし哀しい捉え方になってしまいますが、
無常観とも近いです。
自分たちは、想像もできないとても大きなものと共に在るけれど、
死ぬときは、いつも独りで、
悲しい思いを味わわなくてはならない。
でも、その悲しい思いが、
人と人をつなげる原動力になるんだと思います。

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