比留間久夫 HP

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≪夢のあと≫椎名林檎/東京事変

5年ぐらい前かな、
NHKでスペシャルみたいなのをやってて、
で、その前に、
映画≪さくらん≫を観てて、
ああ、この歌、ラストシーンに流れてたやつじゃない?

その歌がこの歌・・・
≪夢のあと≫でした。

椎名林檎ちゃんは(年下だからいいか)、
もちのろん、好きです。
嫌いなわけがない。
できれば、友達になりたいです。

≪夢のあと≫は、
こういう歌じゃないかと思っている。

 テレビが映し出してる外の世界はとても騒がしいけど、
 わたしと赤ちゃんがいるこの空間は、
 まるで別世界のようにとても静謐だ。

 赤ちゃんが宙に手を伸ばす。
 わたしはその手を受けとめる。
 すると、赤ちゃんも、握り返す。

 こんな小さな結び目が、この世界に拡がり、
 溢れていくこと。
 それが、いまにも壊れそうなこの世界を護っていく、
 唯一の力ではないか。
 それが、わたしたちの穏やかな未来を照らしていく、
 唯一の光ではないか。


 地球というこの球体を幸福な場所にしていくのは、
 決して、大きな思想、論理、主義などではなく、

 人間一人一人の、それぞれ違った一人一人の、
 小さな結び目の、数えきれない、つながりなのだ。


林檎ちゃんが歌っているのは、
とてもシンプルな、根源的なことです。
また、そういう単純な力でしか、
この世界を護れないと歌っている。

そして、そのシンプルな想いを、
とても深く、浸透力あるものにしてるのは、
彼女の歌う力の凄さ、真摯な姿勢です。
引き込まれていくし、ぐいぐいと踏み込んできます。
彼女の気持ちが凄く伝わってきます。
すばらしいクリエーターであると同時に、
すばらしいシンガーであり、変貌自在なアクトレスでもある。
カッコいい。
痺れます、椎名林檎。




 補足:タイトル≪夢のあと≫は、
    芭蕉の「夏草や 兵どもが 夢のあと」から採られたものか?
    同時多発テロによって破壊されたビルは、
    また、その報復で破壊されたイラクの街も、
    まさに、兵どもが 夢のあと。
    夢のあとを生きていくわたしたちは、
    どういう夢を見るんだろう。














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