- 2014/03/03
- Category : MUSIC 100
≪夢のあと≫椎名林檎/東京事変
NHKでスペシャルみたいなのをやってて、
で、その前に、
映画≪さくらん≫を観てて、
ああ、この歌、ラストシーンに流れてたやつじゃない?
その歌がこの歌・・・
≪夢のあと≫でした。
椎名林檎ちゃんは(年下だからいいか)、
もちのろん、好きです。
嫌いなわけがない。
できれば、友達になりたいです。
≪夢のあと≫は、
こういう歌じゃないかと思っている。
テレビが映し出してる外の世界はとても騒がしいけど、
わたしと赤ちゃんがいるこの空間は、
まるで別世界のようにとても静謐だ。
赤ちゃんが宙に手を伸ばす。
わたしはその手を受けとめる。
すると、赤ちゃんも、握り返す。
こんな小さな結び目が、この世界に拡がり、
溢れていくこと。
それが、いまにも壊れそうなこの世界を護っていく、
唯一の力ではないか。
それが、わたしたちの穏やかな未来を照らしていく、
唯一の光ではないか。
地球というこの球体を幸福な場所にしていくのは、
決して、大きな思想、論理、主義などではなく、
人間一人一人の、それぞれ違った一人一人の、
小さな結び目の、数えきれない、つながりなのだ。
林檎ちゃんが歌っているのは、
とてもシンプルな、根源的なことです。
また、そういう単純な力でしか、
この世界を護れないと歌っている。
そして、そのシンプルな想いを、
とても深く、浸透力あるものにしてるのは、
彼女の歌う力の凄さ、真摯な姿勢です。
引き込まれていくし、ぐいぐいと踏み込んできます。
彼女の気持ちが凄く伝わってきます。
すばらしいクリエーターであると同時に、
すばらしいシンガーであり、変貌自在なアクトレスでもある。
カッコいい。
痺れます、椎名林檎。
補足:タイトル≪夢のあと≫は、
芭蕉の「夏草や 兵どもが 夢のあと」から採られたものか?
同時多発テロによって破壊されたビルは、
また、その報復で破壊されたイラクの街も、
まさに、兵どもが 夢のあと。
夢のあとを生きていくわたしたちは、
どういう夢を見るんだろう。